書き文字の時代でないからこそ!手紙の書き方を覚えよう
パソコンやメールでのやり取りが主流になってきている世の中ですが、手書きの手紙はより感情を豊かに表現できるツールとして根強く日本の文化に残っています。ビジネスでも人によっては手紙を書くシーンがあるので、真心の伝わる手紙の書き方をご紹介します。
1. 手紙を書く際に気を付けたいこと
手紙は相手に豊かな感情や真心を伝えやすいという利点がある一方で、きちんと書きたいという気持ちが相まって硬すぎる文面になったり、伝えたいことがうまく伝わらなくなってしまったりする恐れがあります。手紙を書くときはそのポイントをしっかり押さえておきましょう。
1-1.フォーマル度を気にする
ひとえに手紙といっても、その形式は封書や便せん、はがきやカードなどさまざまあります。また、それぞれの形式もフォーマル度がというものがあるので、使い方によっては失礼に値する場合もあります。
手紙を送る際には相手との関係性や手紙の内容、手紙の形式を重視し、TPOに合わせた手紙を書けるようにしましょう。
たとえばはがきと封書の使い分けですが、はがきは身内や友人など親しい間柄の人とやり取りをする際や、ほかの人に見られてもかまわない簡単な内容のものを伝えるときに用いられます。一方で封書は目上の人に宛てたり、非公開の内容のものなどに用いられたりするという違いがあります。
1-2.敬語の使い方に気をつける
敬語は尊敬語・謙譲語・丁寧語の3パターンに分かれていますが、あまりに丁寧な言葉を意識しすぎて二重敬語にならないようにしましょう。
たとえば、「聞いた?」という言葉を敬語にすると「お聞きになりましたか?」と直せるのですが、そのまま敬語にしないで使用するのはもちろんのこと、「お聞きになられましたか?」などと使用するのも却って失礼に値します。ネットで調べると尊敬語・謙譲語・丁寧語の使い分けが出てくるので、自信のないときはこういったツールに頼るのも1つの手です。
1-3.手紙を書く・送る時期を考える
手紙を送る際は、その内容に合わせたタイミングで送ることで、より相手に気持ちが伝わりやすくなり、それが礼儀として表れます。たとえば、お祝いの手紙やお礼状はその気持ちが相手に一番伝わる早い時期に送ることが良いとされています。一方でお見舞いなどの手紙は知らせを聞いたらすぐ書くことが大切ですが、送るタイミングは相手が落ち着いたころを見計らうことで、大変な時期に気遣いをさせないように配慮することが大切です。仮に旬のタイミングを逃したからと言って送ることは失礼にはならないので、タイミングの時期が過ぎたころに送る手紙には時期が遅れたことへのお詫びを一言添えると良いでしょう。
1-4.忌み言葉に気をつける
受験生に「滑る」「落ちる」という言葉を使っていけないのと同じように、手紙の内容によっては使っていけない「忌み言葉」というものが存在します。忌み言葉は不吉な状況を連想させる言葉で、知らずに使っていると相手を不快にさせてしまいます。たとえば、結婚のお祝いに「別れる」「切れる」などという言葉を使うと離婚や離縁を連想させてしまうのです。
2.手紙の書き方
前述のとおり、手紙には形式があります。基本的にはフォーマルな場面では縦書きが礼儀で、便せんなどの色は畏まった場であればあるほど真っ白な用紙を使用しましょう。一方で、親しい間柄であれば横書きでも構いませんが、誤字脱字に注意しましょう。
また、手紙の中で相手の会社や名前を出すときはなるべく手紙の中央から上になるように心がけてください。この時、中央の下側に書くことになりそうになったら改行をして下段に書くことを避けましょう。
さらに、基本的に手紙は自分も書きやすく、相手も読みやすいように前文・主文・末文・後付けの4つに分かれています。この4つの中にも形式的な書き方があるので説明します。
2-1.前文の書き方
前文は「拝啓」や「拝呈」などの頭語と時候の挨拶、相手を気遣う言葉を書きます。頭語は一般的な場合や丁寧な場合、急用の場合などによって使い方が変わってきます。
また、差出人が女性の場合は「一筆申し上げます」という頭語を使用できますが、ビジネスシーンでは避けた方が良いでしょう。相手を気遣う言葉はその人とのやり取りがご無沙汰している場合は、その旨のお詫びを記載すると良いでしょう。
2-2.主文の書き方
主文は「ここから要件ですよ」という意味を込めて「さて・実は」などという起語を頭に入れておきます。起語によって手紙の内容や要件が伝わりやすくなります。
注意したいのは、一枚の手紙に要件を2件以上入れないということです。内容がごちゃごちゃしてしまい、結局何が言いたいのか伝わりにくい文面になってしまいます。
2-3.末文の書き方
末文は、相手の健康や無事を願う言葉などのまとめとして結びの挨拶で締めくくります。気を付けたいのが、前文の頭語に合わせた結語を添えるということです。
2-4.後付け
後付けにはこの手紙を書いた日付と差出人、宛名を記載します。日付は年月日を書きますが、フォーマル度によっては月日だけでも大丈夫です。差出人は下段、宛名は上段に記載するのが礼儀です。
3.まとめ
手紙は形式やフォーマル度によって少々書くのが難しいかもしれませんが、ご自身の礼儀正しい真心が伝わると相手も嬉しいものです。「書香」では、手紙という真心を更に美しく伝えるための文字の書き方をオンラインで指導しています。美しい字で相手の心に響く手紙を書きませんか?ご興味のある方はご連絡をお待ちしております。